生活習慣病とは

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不摂生な生活習慣の積み重ねによって起こる病気です。主なものとしては、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧症、高尿酸血症(痛風)などがあります。こうした病気は、食事や運動不足、喫煙、飲酒、睡眠不足などが原因となるので、まずは生活習慣を見直すようにしましょう。

なお、生活習慣病に罹患しても、初期の段階では症状がほとんどありません。そのため、健診などで数値の異常を指摘されたとしても、そのままにされてしまう患者様も少なくありません。しかし、放置していると、徐々に血管にダメージを与えてしまい、心筋梗塞や狭心症、腎硬化症、脳梗塞、脳出血などの原因となります。

主な生活習慣病

糖尿病

糖尿病は、何らかの原因で血液中のブドウ糖が細胞にうまく取り込めなくなってしまい、ブドウ糖が慢性的にだぶついてしまう病気です。長期にわたり高血糖の状態が続くと、全身の血管に様々な問題が現れ、悪くすると心筋梗塞や脳梗塞、人工透析や失明など、深刻な事態にも陥りかねません。そのため、なるべく早い段階で治療を開始することが大切です。具体的には、医師の指導のもと、食事療法と運動療法、薬物療法を行います。まずは食事を見直し、適度な運動を毎日続けますが、これだけでは血糖値がうまく下がらないケースでは、内服薬による治療やインスリン療法が行われます。

脂質異常症(高脂血症)

脂質は三大栄養素のひとつですが、そのうちLDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪の数値が基準とされる数値から外れていると判定されると脂質異常症と診断されます。具体的には、LDLコレステロール値が140mg/dL以上(高LDLコレステロール血症)、中性脂肪値が150mg/dL以上(高トリグリセリド血症)、HDLコレステロール値が40mg/dL未満(低HDLコレステロール血症)の場合となります。

なお、コレステロールも中性脂肪も体にとっては必要不可欠なものですが、脂質異常症の状態になると血管壁にLDLコレステロールが蓄積するようになって、動脈硬化を促進させるようになります。病状が進行すると、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳血管障害(脳梗塞 等)といった重篤な合併症を引き起こすことがあります。

高血圧症

心臓から送り出された血液が、動脈の内壁を押す力のことを「血圧」と呼んでいます。高血圧症は、この圧力が高い状態で続いてしまい、動脈硬化などのリスクが高まる病気です。血圧上昇の原因となる生活習慣としては、まず食生活における塩分の過剰摂取が挙げられます。そのほかには、肥満、喫煙、運動不足、カリウムなどのミネラル不足、お酒の飲み過ぎなども原因となります。高血圧の状態が長く続くと、血管は常に張りつめた状態になり、弾力が失われて硬くなっていきます。同時に血管の内径が狭くなっていき、傷つきやすくもなります。このような状態に陥らないためには、お薬によって血圧を下げていくことが大切です。

高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症は、内臓脂肪の蓄積によってもたらされる疾患です。内臓脂肪によって脂肪細胞からたくさんの遊離脂肪酸が分泌され、プリン体の代謝が過剰になります。これに伴い、老廃物である尿酸がたくさんつくられるようになるのです。血液検査によって尿酸値が7.0mg/dL以上となったときは、「高尿酸血症」と診断されます。

高尿酸血症の状態が長く続くと、尿酸が関節の中で固まって結晶になり、その結晶にたくさんの白血球が集まってきて排除しようとするために炎症が起こります。そして、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出し、痛風発作が起こります。その痛みは耐えがたいほどで、痛風という名称には「風に吹かれただけでも痛い」という意味合いが込められています。最近は病気の研究は進み、良い薬も開発されているため、適切な治療を受け、生活習慣を改善するようにしてください。